日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が、交流戦から打者として戦力構想に入る珍プランが浮上した。8日の楽天戦(函館)が、交流戦前の最終登板。今後はセ・リーグ本拠地試合で打席に立つことになるが、梨田監督はその打力を高く評価。「打撃がいい」と投手交代の機会でも、代打を送らない作戦を示唆した。フリー打撃でも快打を連発している新大砲が誕生するか注目だ。

 交流戦開幕を待たずして、サプライズ戦略が持ち上がった。梨田監督が、ダルビッシュを打者として評価、積極起用する秘策を用意していることを明かした。

 梨田監督

 そりゃあ、評価はしている。ツル(鶴岡)よりもええからね。(投手交代機会でも)打たせて代えるということもあるかもしれん。

 打席に立つセ・リーグ主催試合では状況によって、エースの強打に頼る可能性が出てきた。

 一振りにかけたくなる、魅力がある。4月から札幌ドームでの練習前に、投手陣のフリー打撃を実施。ダルビッシュはフェンス直撃打を放つなど、トップクラスのパワーと精度をアピールしていた。過去にはスタンドインさせたほどで、潜在能力は十分。梨田監督も得意のダジャレを交え「飛距離?

 森本よりもね。森本『ひきょり』って」と認めている。

 昨季までの交流戦では、27打数2安打の打率7分4厘。慣れない打撃による故障などの影響も考え、フルスイングを自重する場面が多かった。だが08年6月17日広島戦では、1点を追う2回2死二塁で右中間への同点二塁打を放ち、プロ生活で唯一の打点をマーク。勝負どころでの集中力と全力投球ぶりは、マウンド上と匹敵するだけに、得点圏のチャンスで快打が生まれる期待感はある。

 交流戦前のラスト登板を控えたダルビッシュは7日、雨天で隣接する陸上競技場などを利用して、4年ぶりの函館登板へ向けての調整を完了した。前回対戦で黒星を喫した楽天岩隈との投げ合いにも「特に意識はしていないですね。楽しんで?

 はい」と淡々と見据えた。投球だけに集中できる、シーズンの一区切り。魅惑の大砲へと変身する前に、まずは最下位に低迷するチームの風向きを変える白星奪取へ集中する。【高山通史】

 [2010年5月8日10時37分

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