<ヤクルト2-9オリックス>◇13日◇神宮

 主砲の復活だ。オリックスのアレックス・カブレラ内野手(38)は右拳を握りながら一塁を回った。5-2の8回1死。ヤクルト吉川から右中間へ9号満塁本塁打を放り込んだ。勝負を決定づける、4番らしい仕事。「打席でフォームを考えながらやっている。上体がかがんでいるとボールが動いて見えてしまう。今日は良かったね」。打席ごとに修正を図り、終わってみれば3打数3安打、自己最多7打点をたたき出した。

 4月下旬に左脇腹痛で登録抹消。主砲不在の間、チームは1勝8敗と急下降し、連敗の責任を感じていた。この日は和製大砲のT-岡田が負傷で、登録抹消されており、責任感が増した。2回には自分の失策から一時逆転された。「100%の集中をしてなかった。だからバットで取り返したかった」。復帰6戦目。迷惑をかけた分、4月13日ソフトバンク戦以来、1カ月ぶりのアーチで貢献した。試合後は「西武時代の日本シリーズで中日から10打点がある!」と胸を張った。実際は6打点なのだが、負けず嫌いの虫も元気になってきた。

 ただ岡田監督が8回裏に投手岸田を4番に入れたため、9回1死一、二塁の好機に6打席目は回ってこなかった。「7打点って、あっそうか、最初にも打ってたな。数えてへんかった。ブーマーの記録?

 ホンマか。それやったらもう1回打たしても良かったな。差ついたし…」。84年ブーマーの1試合8打点の球団記録を狙うチャンスをフイにしてしまい、ばつが悪そうに苦笑い。4番が復活したチームは交流戦連勝発進で、3連勝。借金を4に減らした。

 [2010年5月14日11時11分

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