<中日5-4オリックス>◇15日◇ナゴヤドーム

 何やっとんのじゃ!

 オリックス岡田彰布監督(52)が今季最大のカミナリを落とした。落合中日との初戦。4-3の9回、守護神レスターが、最大5球の規定投球練習をできず、3球でタイムアップ。事前の準備不足がたたったのか、2四球と安打2本で絵に描いたような逆転サヨナラ負け。「ウオーミングアップ不足やろ!

 ストライク入らんわ」と投手コーチと守護神に怒りをぶつけた。チームの連勝は3で止まった。

 みけんに深いしわをつくり、鬼の形相だった。岡田監督は待ち構える報道陣にまで怒りをぶちまけた。

 「初めて見たぞ。打たれる、思うたよ。お前ら見てたか?

 レスター(投球練習が)3球や。行くのが遅いからや。ウオーミングアップ不足やろ!

 ストライク入らんわ!

 何してんの。おかしいわ」。

 守護神レスターが9回に“遅刻事件”を起こして逆転サヨナラ負けとあって、舌打ち連発。今季最大にキレまくった。

 打線が6回に逆転し、平野-岸田-レスターの勝利の方程式で振り切る算段だった。4-3の9回、レスターをコールしたまでは計画通りだったが、投球練習が打ち切られた。今季からイニング間の投手交代は2分45秒に短縮されており、2分を経過すると規定の5球に達していなくても「ラスト1球」がコールされる。グラウンドに現れるのが遅れたことがあだになり、まさかの間切れとなった。

 岡田監督はこの時点でキレていた。レスターは制球が乱れ2四球で1死一、二塁とすると、ブランコと小池に連続適時打を浴び、ジ・エンド。たった2球の違いとはいえ、万全の準備ができなかった投手コーチとレスターが許せなかった。

 「どんだけ(準備の)時間あるんよ。出てくんの遅いからやろ。最初から投げんの分かってんのに。おれら(ベンチ)は(選手に)万全の態勢で準備をやらすことしかできん。マウンドにも打席にも行けへんのや。レスターに話?

 する必要ないわ。コーチにはイニングの最初に言うたわ」。

 重苦しい空気の中、レスターは小声で反省した。「9回に行くのは分かっていた。ただ3時間何分も試合して、たかだか2分のこと。オレも何が起こったか分からなかった。多少は影響があったが、どんな時でも投げるのがオレの仕事だ」。“多少の影響”で連勝は3でストップ。阪神監督時代から激戦を重ねた落合竜との2年ぶりの対決は、苦い黒星で始まった。

 [2010年5月16日10時44分

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