<オリックス11-2広島>◇18日◇京セラドーム大阪

 オリックス赤田将吾外野手(29)が自身初、日本人では6人目となる左右両打席本塁打を放った。打順再編で1番に入り、まずは4回だ。右打席で左腕青木高から右翼へ7号2ラン。「(野手の間を)抜けるかなと思ったけど、結構飛びましたね。しっかり振れました」。外寄りカーブにしっかり下半身でタイミングを合わせ、逆方向へ飛ばした。

 9点差をつけた7回には左打席できれいな軸回転から8号2ラン。右腕武内のひざ元の直球に両腕をたたみ、再び右翼席へ運んだ。「打撃練習から正田コーチに回れ、回れと言われたので。うまく回転していけた」。左打席では今季2発目。チームの得点を2ケタに乗せ、試合を決めた。

 視力は両目とも2・0。京セラドーム大阪では一塁側ベンチからレフト最上段にあるキリンビールの看板の小さな「おいしさを笑顔に」の文字を見て、目のコンディションを確認。しっかりボールを見極め、球界でも数少ない偉業を達成した。チームの連敗もストップし、お立ち台で「おいしい」気分を味わった。

 主砲カブレラが負傷交代するアクシデントを一丸で乗り越え、3人が猛打賞をマーク。今季最多タイ17安打で11得点を奪った。カミナリ続きだった岡田監督の表情も晴れに変わり、「ええパワーしとる」と赤田の働きをたたえた。一進一退の戦いが続くチームは再び4位へ浮上。赤田のスイッチ弾で反攻のスイッチも入れたいところだ。【押谷謙爾】

 [2010年5月19日12時29分

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