コイの守護神が復活だ。広島永川勝浩投手(29)が25日、ウエスタン・リーグのソフトバンク戦(由宇)に4番手で登板し、1回を3人で打ち取る貫禄(かんろく)の投球。4月13日ヤクルト戦で右長内転筋および恥骨筋損傷のため、戦列を離れていた背番号「20」が、実戦復帰で一発回答。26日の同カードを大野ヘッド兼投手コーチが直接チェックし、昇格の可否を決定。早ければ29日の楽天戦(Kスタ宮城)から1軍に帰ってくる。

 格が違う。マウンドに、実績十分の永川勝がそびえ立った。2-4の8回に4番手で登板。日本球界に復帰した4番ペタジーニから始まるソフトバンク打線を3者凡退に仕留め、悠々とベンチに戻った。「ブルペンで出来ていた投球が出来た。3人で終わったしね」と永川勝。故障以来42日ぶりとなる実戦登板を、涼しげな顔で振り返った。

 1球で完全復活を印象付けた。ペタジーニは先発今井から2打席連続弾を放ったばかり。ヤクルト、巨人で日本通算223発の大砲を、初球の144キロ外角真っすぐで仕留めた。ペタジーニが「良い感じでとらえられたが…」と振り返る打球は、フェンス手前で急失速し左飛に。続く江川を146キロ真っすぐで、中原を宝刀フォークで空振り三振に。ストレートは最速147キロをマークした。永川勝は「全球種投げました。イメージ通り」と納得の表情を浮かべた。

 右長内転筋および恥骨筋損傷のため、永川勝が戦列を離れたあとは、シュルツが代役を務め、5つのセーブを挙げた。だが、シュルツも5月16日に腰痛のため出場登録を抹消。その後は横山が穴を埋め、24日にはセーブを挙げた。だが、シュルツも横山も永川勝につなぐのが本来の役割。だれもが、守護神の復活を待っていた。

 あとは1軍に戻るだけだ。山崎2軍監督、小林2軍投手コーチも「格の違いを見せた。内容的にも良かった」と合格点を与えた。永川勝自身も「1軍?

 いつでも行けます」と手応え十分だ。マツダスタジアムで報告を受けた大野ヘッドは、26日の同カードの視察を決めた。「連投したときにどうなのか。もう1度投げるのを見てから決めたい」と直接見て昇格の可否を決めるつもりだ。早ければ29日の楽天戦にも1軍に上がる見通し。史上5人目の通算200セーブまであと「36」のコイの守護神が“定位置”に帰ってくる。【佐藤貴洋】

 [2010年5月26日11時10分

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