野村カープに衝撃が走った。10日のロッテ戦(千葉マリン)で死球を受けて途中交代していた広島栗原健太内野手(28)が11日、群馬・館林市内の病院で精密検査を受けて「右尺骨茎状突起骨折」と診断された。4週間の加療を要する見込みで、前半戦が絶望的になった。

 石井チーフトレーナーは「まず腫れがひかないといけない。(復帰まで)早ければ2週間かもしれないし、6週間かもしれないです」と説明した。この日、出場選手登録を抹消された栗原は「なるべく早く戻ってきたい」と話した。

 4番の長期離脱でチームは緊急事態に陥った。野村監督も「監督になって1年目ですが、こんなに誤算になるとは思ってなかった」と渋い表情。代役として2軍調整中のヒューバー、山本芳の1軍昇格を決めたが、打線の得点力低下は否めない。投手陣でも、リリーフのシュルツが腰痛検査のため米国に帰国するなど、チームの主力が続々と戦列を離れており、戦力ダウンは深刻だ。

 チームは借金11でリーグ4位。指揮官も「これ以上、悪くなることはないと思ってやるしかない」と話すが、野村カープが正念場を迎えた。【酒井俊作】

 [2010年6月12日10時45分

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