交流戦3連覇を逃したソフトバンクが、リーグ制覇に向け「首位奪取ローテ」で再スタートする。交流戦3連覇は逃したものの、現在4連勝中。交流戦ラストとなる15日の横浜戦(横浜)に中5日で小椋真介投手(29)を起用。18日からの西武3連戦(西武ドーム)で育成枠出身の山田大樹投手(21)を投入。和田毅投手(29)杉内俊哉投手(29)の「最多勝コンビ」でたたみかける。1ゲーム差で追う獅子をたたき、パ・リーグ首位の座を奪う。

 交流戦3連覇を逃したソフトバンクが、7年ぶりのリーグ制覇へ向け「首位奪取ローテ」を完成させた。セ・リーグ首位巨人に連勝し、現在4連勝中。交流戦中に最大4ゲーム差まで開いた首位西武とのゲーム差を、交流戦前の1まで戻した。リーグ再開となる18日からはその西武と3連戦。高山投手コーチは「(西武戦には)うちが勝てるであろう投手を最優先していく。首位のチームだし」と、西武撃破に全力を注ぐことを明言した。

 首位奪取への布石を、まずは小椋が打つ。交流戦ラストゲームとなる15日の横浜戦に、中5日で登板予定。ここまで7試合に登板し防御率3・64と、杉内、和田に次ぐ安定感を誇る。9連敗中でセ・リーグ最下位に沈む相手をひねり、すでに交流戦全日程を終了している西武に0・5ゲーム差に迫る。12年目で自己最多4勝目もかかる左腕は「(15日の)天気はたぶん大丈夫ですよね」と、リラックスムードで東京へ移動した。

 リーグ戦再開の“開幕投手”は山田が任させる見込みだ。プロ初登板となった10日の横浜戦では6回4安打3失点。プロ野球史上初の育成出身投手初登板初勝利の快挙こそ逃したが、ローテ入りをつかんだ。福岡ヤフードームでランニングなどで調整。「(前回は)力が入りすぎた。あまり余計なことは頭に入れずに投げたい」と、平常心で獅子退治に挑むことを誓った。

 仮にエース涌井の先発が濃厚な18日の初戦を落としても、ハーラートップの9勝で並ぶ「最多勝コンビ」で巻き返す。現在5連勝中の和田が19日に登板。今季西武には2敗を喫しているが「内容も上がってきているし西武対策についても問題ない」と同コーチ。そして20日の3戦目には、エース杉内を立てる。交流戦終盤には中5日の登板で本来の投球ができなかったが、中6日の登板で10勝目を狙う。アクセル全開のソフトバンクが、今週末にも首位に立つ。

 [2010年6月15日11時25分

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