阪神マット・マートン外野手(28)に、異例の球団公認個人グッズが制作されることが18日、分かった。阪神のイラスト商品を手がける会社が第1弾として似顔絵入りステッカーを販売する。通常来日1年目の助っ人は退団のリスクがあるために個人グッズ制作は敬遠される。今回は球団がマートンとの来季契約オプションを行使する方針であることが追い風になった。本人もグッズ販売を了承しており、7月の発売を予定している。

 マートンが、人気面でも実力を証明した。来日1年目の外国人選手としては異例の個人グッズが販売される。16日にグッズ制作会社と球団側が交渉して合意。グッズのサンプルはマートンも目を通して、OKを出した。制作会社関係者は「本人も非常に気に入ってくれて、完成したら僕に全種類をください、と言ってくれた」と話した。

 販売されるグッズは、マートンの顔にフォーカスした丸型ステッカー(500円)。ここまで巨人坂本と並ぶセ・リーグ最多88安打を量産するマートンらしくバットを振り切った図柄が採用された。これまでナンバー(背番号入り)ジャージーなどの定番商品はあったが、個人グッズは初めてだ。

 通常、外国人選手の個人グッズは敬遠される。日本人選手と違って、成績が振るわなければチームを去ることが多く、グッズが日の目を見ないリスクが高い。昨年のメンチは1軍出場15試合にとどまり、ほとんど2軍にいた。だが、マートンは1年目からチームの躍進を支えて、人気も上昇。グッズ制作を決断した会社関係者は「マートン選手なら大丈夫という考えです」と説明した。

 “保証”された助っ人であることがグッズ制作に追い風になった。阪神は通常、新外国人選手と2年目に球団が選択権(オプション)を持つ2年契約を結ぶ。マートンも通例通りに2年契約だ。ただ近年は不振の外国人助っ人が多かったために球団がオプションを行使しないで1年で退団するケースが多かった。球団幹部はマートンについて「普通の2年契約と考えている。放すはずがない」と残留が既定路線であることを強調した。

 今季はシーズン前半戦でセ・リーグ3位の打率3割4分8厘の高打率をマークしている。それに加え練習にも熱心に取り組んで、相手球団の研究にも怠りがない。16日の阪急阪神ホールディングス株式会社の定時株主総会でもマートンの活躍が話題に上がっていたほどだ。早くも阪神ファンの心もがっちりつかんでいる。

 マートンが来季もタテジマを着ることもあって、異例の個人グッズも制作がスムーズに進んだ。第1弾のステッカーは7月初旬の販売を目指している。今後も第2弾、第3弾と順次、発売されていくことになる。

 [2010年6月19日11時56分

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