<広島5-1巨人>◇1日◇マツダスタジアム
野村カープが9戦目でついに巨人を倒した。天敵を撃破し、自力V消滅の危機を回避した。左腕内海が相手にもかかわらず4番に座った嶋重宣外野手(34)を中心に赤ヘル打線が奮起。若きエース前田健太(22)が1失点完投と投打ががっちりかみ合った。主力離脱が相次ぐ非常事態だが、総力戦でG倒、底なし沼から脱する手がかりをつかんだ。
逆境を完勝で乗り越えた。これまで巨人に開幕8連敗。鴨がネギを背負う完全なお得意さま扱いだったが、9度目の対戦は違った。若獅子マエケンの10勝目、巨人戦今季初勝利を実現させるべくチーム一丸で勝利を狙った。
1回だ。1死から梵が一塁線を破る二塁打で出塁すると、続く赤松がカウント2-2から甘く入ったスライダーを逃さない。「追い込まれていたんでゾーンを広げた」(赤松)。打球が右翼線を転々とする間に俊足を飛ばして三塁に到達。広くなったマツダで三塁打は常に意識している。頭には「どのような打球なら三塁まで行けるか」をインプット済みだった。
赤松の先制打に、この3連戦初戦の6月29日から実に4年ぶりにスタメン4番を担う嶋が続く。カウント1-1からチェンジアップを振り抜くと、打球は詰まりながらも右前にポトリ。「調子が悪いときには出ない当たり」で1回から2点を奪った。主砲栗原の負傷離脱を総力戦でカバーしている。嶋が4番に座ってから3試合連続の2けた安打と打線が活発だ。
FA権を取得する直前の5月、嶋は自虐的に笑った。「FAも何も、まだスタメンに定着していないからね」。首位打者に輝いたこともあるプロ16年目の赤ゴジラは現役にこだわる。J2横浜FCのFW三浦知良(43)が現実的に選出が厳しい状況ながらも「誰にでもチャンスはあるから。楽しみだね」とW杯メンバー入りを心待ちにした姿勢に「カズさんは本当にプロ意識が高いよね」と感心した。
打線は4回にもヒューバー、東出の適時打で2点を加点。5回には広瀬がダメ押しの適時打でマエケンを助けた。開幕からの同一チーム戦連敗のワースト記録は1955年阪神などに喫した9連敗。55年ぶりの屈辱は投打がかみ合い一蹴した。内田打撃統括コーチは言う。「ウチは巨人打線とは違う。1試合8本塁打などは無理。コツコツとつないで先制点を取り、逃げ切るのが広島の勝利パターン」。必勝パターンで夏場に挑む。【佐藤貴洋】
[2010年7月2日11時16分
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