<広島2-1横浜>◇2日◇マツダスタジアム

 新守護神誕生で接戦をものにした。広島は2-1と1点リードの9回に登板した上野弘文(29)が、冷や汗全開ながらも気合でプロ初セーブを飾った。陽気なプエルトリコ人の先発ジオ(32)が7回4安打1失点の好投で2勝目。球団史上10年ぶりの「1安打勝利」を投手陣の奮闘で成立させた。7月に入り、2連勝。月が変わればツキも変わる。コイが上昇気流をつかんだゾ。

 マツダ初のお立ち台。カクテル光線に照らされた背番号19は本音を漏らした。

 上野

 普段通りにやろうと思っていましたが、プレッシャーが…。正直、ちょっと焦った。集中力だけは切らさないようにと。

 無理もない。1点リードの9回に登板。ここまでプロでのセーブ記録はない。2日はクローザーの可能性について「技術面より気持ち。中継ぎと変わらない気持ちでやりますよ」と強気だったが、この日は顔面蒼白(そうはく)だった。先頭内川に2-3から粘られ、9球目の139キロシュートは左中間を深々と破る二塁打に。続く村田の二ゴロで1死三塁。スレッジに四球を与えると、代走野中に二盗を決められ、1死二、三塁の大ピンチを迎えた。

 上野

 正直な気持ちを言うと、同点なら仕方がないと。

 お立ち台で、スタンドの爆笑を誘った発言だが、これが偽らざる気持ちだった。スクイズ狙いの代打藤田は、カウント2-2から中途半端なスイングで投ゴロに。挟殺で三走・内川を仕留めたが、2死二、三塁とピンチは続く。さらに代打橋本にはあわや逆転かと思われる当たりはファウルに。なんとか中飛でゲームセット。プロ初のセーブを薄氷を踏む思いで手にした上野は「9回からの登板…。永川(勝)さんてすごいんですね」と、冷や汗をぬぐった。

 先発ジオも好投していた。ここ3試合21イニング2失点と上り調子で迎えたこの日、キレのある変化球で8奪三振を奪うなど、7回1失点で2勝目。上野とともに臨んだマツダ初のお立ち台では「数字は関係ない。日本に来た理由はカープを優勝させるため」とキッパリ。続けて「街で見かけたら声をかけて下さいね」と、おちゃめな一面もアピールした。

 大竹、永川勝、シュルツらの主力不在を吹き飛ばす価値ある1勝。大野ヘッド兼投手コーチは「今いるメンバーでやるしかない。日替わりでは困るんだけどね」と目を細めた。チーム一丸で上昇気流をつかみ取る。【佐藤貴洋】

 [2010年7月3日10時49分

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