<巨人8-10阪神>◇2日◇東京ドーム
鮮やかな波状攻撃だ。4点を追う7回、虎打線がつながった。マット・マートン外野手(28)、新井貴浩内野手(33)の連続適時打で1点差に追い上げ、無死一、二塁から城島健司捕手(34)が同点タイムリー。気合十分の打撃で、打者11人の猛攻に勢いをつけた。ここまで1発に頼りがちだった打線が、つないで、つないで1イニング6点。前夜の中日戦8回にみせた打者10人、5点を上回る猛攻で、一気に逆転した。再逆転されても、再び試合をひっくり返した。不屈の猛虎が今日も巨人投手陣に襲いかかる。
必死でバットを伸ばした。城島は1点差に迫った7回無死一、二塁で久保のフォークに食らいついた。地面にひざがつくほどを沈めてボールをなぎ払う。左前打。二塁走者新井が同点のホームを踏むと、右手人さし指を突き上げた。「(三塁の)小笠原さんが僕の打球をよくとるから。やっと抜けた」。好プレーを見せていた小笠原の「壁」を抜いて、同点打を放った。
驚異的な猛攻だった。0-4の7回、先頭鳥谷の出塁で打線がつながる。マートンの2点三塁打、新井の中前適時打で1点差。城島は「攻めていけばいくほど、相手は簡単に勝負できなくなる」。ジョーの同点打が出ても攻撃は続く。代打関本が押し出し四球、平野の内野安打で2点を追加。打者11人の猛攻で一挙6点。和田打撃コーチは「去年までなら4点差はしんどいと思うけど、今年はいけるという雰囲気がある」と信頼を口にした。
ただ「伝統の一戦」は一挙6点でも決着がつかない死闘だった。直後の7回裏に3点を奪われて逆転された。城島は「東京ドームはそう簡単にいかないけど。2点差で逃げなきゃいけなかった」。この回には西村が代打工藤に死球。西村を威嚇するようににらみつけた工藤にジョーが反応。珍しく怒りの表情を見せて工藤に歩み寄る。森球審が間に入ったが、負けられない感情がぶつかり合った。
乱打戦の末に勝利。ただ正捕手として素直に喜べなかった。「勝ったけど、僕にとってはいいゲームではなかった。1点でも多く、ひとつのミスでも少なくと考えているけど。あの流れでは(藤川)球児も簡単には終わらない」。ジョーは常々「野手にミスが出た時こそ、バッテリーが無失点でこらえる」と言う。勝利の美酒に酔って反省を忘れれば、進歩はない-。「負けなかったので最悪ではなかったけど、僕にとってはいいゲームではなかった」。最後に繰り返してバスに乗り込んだ。
[2010年7月3日11時15分
紙面から]ソーシャルブックマーク




