<楽天1-2日本ハム>◇3日◇Kスタ宮城
頼れるベテランが、改めて存在感を示した。苦難を乗り越えた先に待っていた復活の一打は、5割復帰を目指すチームにとっても貴重な適時打となった。座骨神経痛から復帰したばかりの坪井智哉外野手(36)は“地獄の2カ月半”を思い返し、フ~ッと大きく息を吐き出した。「リハビリが長かったんでね。こういう一瞬があると、耐えてきてよかったと思える。ファームの首脳陣や家族に、せめてもの恩返しになります」。少しだけ、喜びの余韻に浸った。
1回、楽天永井から先制点を奪い、さらに2死一、三塁の好機で打席が回った。1日に1軍合流し、前日2日はスタメン出場も3打数無安打。イースタン・リーグで実戦感覚は補ってきたが「1軍と2軍では違う。とらえたと思ってもファウルになる」。2球で簡単に追い込まれたが、13年目のベテランらしく、集中力をとぎすませた。3球目の高めのつり球をグッとこらえ、続く121キロ変化球を巧みなバットコントロールで三遊間に流し打った。故障前の4月10日ソフトバンク戦以来の打点を挙げた。
開幕から代打の切り札として勝負強さを発揮し、4月14日までに打率3割6厘、6打点。順調にシーズンを滑り出したが、体に異変が起きた。06年にも苦しんだ座骨神経痛だった。焦る気持ちを我慢し、2軍の千葉・鎌ケ谷で懸命なリハビリ。若手選手に交ざり、寮生活を続けた。「もう打席に立てないかもと思った時期もあります。次また(痛みが)出たら、野球を辞めようという気持ち。それくらいリハビリは厳しかった」。だが、06年には戦力外通告も乗り越えた男。執念は人一倍強い。耐え抜いて再び表舞台に帰ってきた。
ダルビッシュの好投が目立った試合だが、梨田監督も「坪井にヒットが出たことが大きい」と喜んだ。チームは再び5割復帰。坪井も同じく、またスタートラインに立った。本当の勝負は、ここから始まる。【本間翼】
[2010年7月4日11時4分
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