<横浜4-16ヤクルト>◇6日◇横浜

 ヤクルト館山昌平投手(29)が22年ぶりの「珍本塁打」で快気祝いだ。1回、畠山の3ランなどで4点を挙げ、なおも2死一、三塁。大家の初球直球を振り抜いた。バックスクリーン右に飛び込む、プロ8年目で初アーチとなる3ランだ。「野手がボンボン打ってたんで、流れに乗って振ろうと思った」。先発投手が投球前に本塁打を放つのは、88年に広島長冨がヤクルト戦で3ランを放って以来の偉業。この回、チームは打者一巡の猛攻で8点を奪い、早々に試合を決めた。

 副業で魅せた後のマウンドは不安があった。「僕が8点を取られるかもしれない。投手としては怖いという心境があった」と館山。それでも2発を浴びるなど13安打されながら、7回を3失点に抑えた。6月24日に右足第4中足骨(薬指)の疲労骨折で戦線離脱。約1カ月ぶりの復帰登板を白星で飾った。打線も、終わってみれば今季最多の22安打16得点で大勝だ。

 「8点が逆にプレッシャーにならなくてよかった」と館山をねぎらった小川監督代行。先発6人がそろったことにも「大きい」とうなずいた。ハマの夜空の下、奇跡の逆転Aクラス入りへ臨戦態勢が整った。【由本裕貴】

 [2010年8月7日9時21分

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