史上最強の遊撃クラッチヒッターへ。阪神鳥谷敬内野手(29)が快挙達成を目前にしている。現在、リーグトップの得点圏打率3割7分7厘で93打点をマーク。90年ヤクルト池山の遊撃手最高打点(97打点)まで、あと4点に迫っている。三つどもえによる激しい優勝争いの中、14日からは横浜3連戦(横浜)がスタート。虎の3番がその勝負強さで3連勝を導き、虎は再び首位浮上や!

 激しい優勝争いの真っ最中、鳥谷の快挙達成が近づいている。現在93打点。90年ヤクルト池山の遊撃手最高打点(97打点)まで、あと4に迫る。間違いなく勝利に直結する、意味のある数字。虎の選手会長は珍しく記録に関心を示した。

 鳥谷

 毎年狙える記録じゃないんで、100打点にいきたいというのはあるんですけど。1試合でも早く決めたいですね。チャンスがあればランナーをしっかり返せるようにしたい。

 首位中日には1・5ゲーム差、3位巨人とは1ゲーム差の2位につける。残り19試合。シーズンの行方を占う勝負どころが毎日続く。そんな時、頼りになるのが鳥谷だ。すでにシーズン自己最多の80打点(08年)を大きく更新中。得点圏打率3割7分7厘は堂々のリーグトップに君臨する。守備の負担が大きい遊撃を任されながら、「新ダイナマイト打線」とも称される強力打線の中軸を担う。ここ1番で最も恐れられる打者の1人となった。

 鳥谷

 今はもう個人個人のことを言っている時じゃないけど、打点は勝敗に直結するんで。(記録が近いのは)光栄ですよね。

 ただ記録を追いかけている訳ではない。勝ちたい。優勝したい。チームの勝利を最優先する男だから「打点」に価値を見いだす。残り試合を考えれば、よほどのアクシデントがない限り、新記録達成は確実。とにかくセ界制覇に向け、チャンスで走者を返すだけだ。

 勢いはキープしている。8月は打率4割2分2厘、5本塁打、25打点。球団記録を更新する月間43安打も放ち、プロ7年目で初の「日本生命月間MVP」打者賞に選ばれた。今季序盤は長期的な腰の痛み、右手人さし指負傷にも苦しんだが、状態の良化とともに一気に成績を上げてきた。9月も13試合で打率3割1分1厘と安定感は抜群。その背中にかかる期待はシーズン佳境に差し掛かり、大きくなるばかりだ。

 14日からは最下位横浜との3連戦(横浜)がスタート。三つどもえの覇権争いが続く中、18日からの巨人、中日6連戦を前に取りこぼしはできない。鳥谷の今季横浜戦成績は打率3割3分3厘、4本塁打、13打点。特に横浜スタジアムは6試合で打率4割5分8厘(24打数11安打)3本塁打、5打点。鳥谷の勝負強さが虎のラストスパートをけん引する。【佐井陽介】

 [2010年9月14日11時45分

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