巨人が“全員バント”で再スタートを切った。中日に優勝を奪われた今季、シーズンを通して、サインの見落としや犠打失敗などが目立ち、リーグ4連覇を逃す一因となった。残された連続日本一という目標達成に向け、原辰徳監督(52)は「誰もがバントの準備をしてくれ」とチームプレーをあらためて求めた。指揮官のこの言葉に、ナインは全体練習が行われたジャイアンツ球場で1日、黙々と球をころがした。

 今季のバント成功率は、12球団ワーストの6割6分4厘。1点が勝敗を左右する短期決戦のクライマックスシリーズ(CS)では、1回の失敗が致命傷になりかねない。普段はバント練習を行わない小笠原は「みんなのメニューだから」とはぐらかしたが、取り組む姿勢には勝利を優先する決意がにじんだ。CS突破の先にある目標を成し遂げるため、巨人が全員野球に立ち戻った。

 [2010年10月2日7時57分

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