<日本シリーズ:ロッテ3-4中日>◇第4戦◇3日◇千葉マリン

 ロッテが清田なら、中日だってルーキーだ!

 4時間41分の大激戦。試合を決めたのは新人大島洋平外野手(24)のバットだった。3-3で迎えた延長11回2死二塁。ロッテ伊藤の初球ストレートを迷いなく振り切った。打球は中堅岡田が差し出したグラブ数十センチ上を越え転々…。無我夢中で激走した24歳は、三塁塁上で左手拳を小さく握った。

 大島

 真っすぐ一本に合わせていた。その前のチャンスで決められなかったので決めてやろうと思っていた。打った瞬間、打球が低かったんで「越えてくれ~」と思って必死に走った。ホント、うれしいっす。

 対抗心があった。シリーズで2本塁打を放ち、MVP候補筆頭のロッテ新人清田とは大学時代からのライバル。駒大の1番として、東洋大の主砲清田と優勝を争ってきた。10月30日の日本シリーズ初戦。練習後に声を掛けられた。「(清田から)スタメンで出るのかって言われて。向こうは出るから聞いて来たんだと思うんですけど…」。闘争心が燃え上がった。試合後はしてやったりの表情。「昨日は清田にやられたんで今日は(運が)こっちに回ってくるんじゃないかって」。ライバル心をのぞかせた。

 自身のV打で本拠地に戻ることが確定した。「名古屋に帰れるということが大きいですよね。ファンの方の応援もあるし。MVP?

 そんなことは考えられないです」。最後まで謙虚な姿勢を貫き、帰りのバスに乗り込んだ。【桝井聡】

 [2010年11月4日12時6分

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