阪神岩田稔投手(27)の回復が収穫だった。真弓監督が17日のキャンプの総括中に、自ら切り出した。「心配だった岩田がこのキャンプで手術前と変わらないぐらいまで投げられるようになった。力的にローテに入ってもらわんと困る投手。期待している」。シーズンを棒に振った左腕の、完全復活を心待ちにした。

 春季キャンプで痛めた左ひじを3月に手術。10月26日のフェニックス・リーグ巨人戦で、7カ月ぶりに実戦復帰を果たした。今キャンプ中も2度シート打撃に登板。15日には、術後最長の5回を投げ、4安打無失点。「どれだけ投げられるかも分からなかったので、いいキャンプになりました」。岩田自身も手応えを十分に感じていた。山口投手コーチは「まだ、心配がないわけではないけど(2月1日に)スタートは切れるんじゃない」と冷静に語った。オフ期間も、リハビリ組に入りトレーニングを続ける方向だ。

 今季は岩田、能見とエース級の左腕2人の戦線離脱が、チームの大きな痛手になった。成長著しい小嶋に、ドラフト1位榎田も日本代表で結果を残している。ライバルが増える中で、背番号「21」が完全復活で貫禄(かんろく)を見せつける。

 [2010年11月18日11時18分

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