一塁は内川にもカブレラにも譲らない!

 ソフトバンク小久保裕紀内野手(39)が来季、一塁守備での全試合出場を誓った。一塁手では三井ゴールデン・グラブ賞を初受賞した小久保は29日、都内ホテルで表彰式に出席。来年は内川聖一内野手(28)やアレックス・カブレラ内野手(38)と強敵がそろう可能性が高いが「DHは考えていない」と一塁手としてのこだわりをみせた。

 攻守で主将としての責任を果たしてみせる。小久保が来季も一塁手としてグラウンドに立ち続ける決意を宣言した。

 「DHは考えていない。無理。気持ち的に難しい。9連戦とかだったらありがたいが、今年も(体調が思わしくないときも)少々のことだったら守らせてくださいと言っていた」。

 今季112試合出場のうち、DH出場は3試合のみ。一塁から投手を激励するため、何度もマウンドに足を運んだ。時には厳しい言葉を浴びせるなど憎まれ役も買って出て、奮い立たせた。この日、ゴールデン・グラブ賞の表彰式に参加。一塁手では初めての受賞。壇上で早くも2年連続獲得に照準を定めた。

 「現役の間、この賞をいただけるように頑張りたい」。

 バットに加え、守備でも卓越な技術を誇る背番号9だけに、どんな強敵が現れても、譲るつもりはない。

 「(新聞などで)内川選手やカブレラ選手と、いろいろ名前が出ているが、しっかりと競争を勝ち抜き、キャプテンとしてチームを引っ張る。まずは健康でいること。健康でないと勝負にならん」。

 国内FAでは横浜から内川獲得が決定的になっている。球団はオリックス・カブレラどりにも乗り出す方針。この日、オリックスは30日が提出期限の「保留者名簿」から外すことを明言した。12月2日には自由契約選手として公示され、カブレラ側とソフトバンクとの交渉が可能になる。2人は一塁を守れる強力ライバルだが、小久保は内川を左翼に追いやり、カブレラをDHに回す気概だ。

 もともとDHは性分に合わない。「1球目を打ちにいったらもったいないかなとか、余計な考えが入る」という。今季3試合のDH出場時の打撃成績は、9打数1安打0打点で打率1割1分1厘。さらに、三塁時代は7年間も同一グラブを使用し、今の一塁ミットは来季4年目を迎えるなど、細かい手入れも守備へのこだわりの表れだ。

 打つだけでも、守るだけでもない。小久保が「らしさ」を失わず、11年シーズンを迎える。

 [2010年11月30日12時2分

 紙面から]ソーシャルブックマーク