星野楽天が試合漬けのサバイバルキャンプを張る。投手陣には2月1日の沖縄・久米島キャンプ初日のブルペン入りを厳命済み。第2クールから早くも紅白戦を行う計画を立てている。同20日にオープン戦がスタートするが、2月中には練習試合を集中して組み、6連戦も行われる。3月25日の開幕戦まで、対外試合は30日間で20試合行われる予定になっている。ゲームの中で戦力を見極めていく。

 試合で白黒ハッキリさせる。星野仙一監督(63)が掲げるサバイバルの方針は、明快かつフェアだった。キャンプイン初日のブルペン投球は、競争のスタートラインに立つ上で最低限の義務。そこからが本当の勝負だ。打撃投手、シート打撃登板を経て、第3クールから紅白戦を行うのが通例だが、2月5日前後に始まる第2クールから紅白戦を導入する方向。昨年の初戦は同11日だったことに照らせば、1週間ほど実戦のスケジュールを前倒しする。

 久米島での実戦が増えることは確実だが、沖縄本島に乗り込んでも、ガンガン試合を行い絞り込んでいく。2月20日のオープン戦初戦、巨人戦から次の中日戦まで1週間、試合の間隔が空く。ここに重点的に練習試合を入れ、2月中に7試合を行う予定だ。3月21日のオープン戦ラストまで、30日間で20試合をこなす。昨年より5試合も多くなる。

 星野監督は仙台赴任直後の昨年11月、いきなり紅白戦を3試合も行った。試合の中で出すパフォーマンスを、選手選定で最優先してきた。頭の中にインプットした各自の情報とすり合わせ、徹底的に戦力把握を行うとみられる。楽天は他球団と比べキャンプ期間が短いが、より多く実戦を行うことができるメリットもある。試合勘十分で開幕戦を迎える。

 選手も意気込んでいる。この日入寮したドラフト2位美馬学投手(24=東京ガス)は、即戦力として期待される右腕。競争に食い込んでくる可能性は十分にある。「肩ができるのは早い方。しっかりアピールしていければと思う」と、12日から行われる新人合同自主トレでのブルペン入りも示唆した。

 緊迫感ある実戦テストをクリアした選手だけが、開幕1軍のキップを手にする。【宮下敬至】

 [2011年1月11日8時11分

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