楽天小山伸一郎投手(32)が鬼軍曹と化した。12日、沖縄・名護で行っている嶋、枡田、西田との合同自主トレ4日目。早朝ジョギング、ウエートトレーニングに続き、午前の締めに心臓破りの坂道ダッシュが待っていた。「上まで、まずは5本!」。小山の号令一下、約100メートルの急勾配を全員で駆け上がった。さらに50メートル、30メートルも5本ずつ。計900メートルに及んだ。やっと終わりと思いきや「もう2本行くか?」。これには枡田、西田の若手2人も「……」。結局、追加は免れたが、汗をぬぐうのがやっとだった。

 “かわいがり”の裏には15年目を迎えた経験がある。小山は言う。「今の時期しか出来ないこと。キャンプをしっかりやらないと、開幕をしっかり迎えることも出来ない。そのための準備です」。そこには、若手への責任感もある。「無理させて、ケガさせたらダメ。でも、メニューを落としすぎてもいけない」と真摯(しんし)に言った。

 自らについては「この時期は毎年、不安ですよ」と打ち明けた。だから、練習するしかない。言葉で、背中で、楽天の頼れるアニキが引っ張っている。【古川真弥】

 [2011年1月13日11時41分

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