ヤクルト村中恭兵投手(23)が新球「クニマスチェンジ」で15勝を目指す。日本プロ野球選手会による「湯けむりキャッチボール」が16日、神奈川・湯河原町で行われた。タレントさかなクンに顔がそっくりと評判の左腕は、投球の幅を広げるため昨秋からチェンジアップを練習中。「キャッチボールで投げていい感じです。オープン戦で試していけたらと思う」と手応え十分だ。

 本家さかなクンは、山梨・西湖で70年前に絶滅したとされていたクニマス再発見の立役者になった。昨季プロ入り後初の2ケタ勝利(11勝10敗)を挙げた村中は、これまではカーブ、フォークが主体。チェンジアップはシーズン後半に数球試投しただけと、希少価値が高かった。「球種の偏りが多いので、1つでも引き出しを増やせたらいい」と、習得に乗り出した。

 150キロの直球に、同じ腕の振りから緩急が加われば効果は大きい。昨季の奪三振は163個で、広島前田健に次ぐリーグ2位だった。この日は子供たちとキャッチボールを行い、リラックス。「個人的には15勝が目標。そうすれば優勝、日本一が近づいてくる」。新球を携え、1年間先発の柱としてフル回転する考えだ。【前田祐輔】

 [2011年1月17日12時3分

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