開幕1軍へノンストップだ。巨人のドラフト1位沢村拓一投手(22=中大)が、新人合同自主トレ休養日の19日、休日返上で練習を行った。川崎市のジャイアンツ球場でキャッチボール、ネットスロー、体幹トレーニングなどで約2時間半汗を流した。「体を動かしたかったので。野球がしたいんです」。宮崎キャンプでも、体の状態を考慮した上で、休日も練習する予定。大物新人は「無休」で、開幕ローテーションを勝ちとるつもりだ。

 みなぎるやる気を抑えられなかった。沢村は午前9時半からジャイアンツ球場で体を動かし始めた。静かな室内で入念にストレッチ。ランニング後のキャッチボールでは約30メートルの距離から、ゆっくりとフォームを確認しながら力強いボールを投げ込んだ。「6割ぐらいの力で投げました。でもまだダメですね。股関節が硬いです」と納得のいかない様子。その後も黙々と15分間、ネットスローを続けた。

 まるで甲子園を目指す高校生のように野球漬けの毎日だ。新人合同自主トレ第3クールを終え、疲れもピークとなるはず。が、休日返上の上に、ジャイアンツ寮から球場まで約2・5キロほどの道を徒歩で往復し、疲れをみじんも感じさせなかった。「遊びたいとは思わないんです。今は野球がしたいので」。これまで2度の休日も、球場には姿を現さなかったが、寮周辺で約1時間のランニングや、体幹トレーニングを欠かしていなかった。それでも「ストイックではないですよ」と笑う。開幕1軍を目指す男にとっては当然のことだった。

 この日、ブルペン入りまで考えた。遠投を100メートル以上に伸ばすまでは入らないと公言していたものの、チームメートに「18・44(メートル)で投げてみたい」と、1度はその気に。「思いとどまってやめました。まだ下半身を使えていないので」と寸前で回避したが、それだけ順調に調整できている証拠だった。

 この日、宮崎キャンプでの1軍スタートが正式に発表された。同キャンプ中には4日間の休日があるが「体の続く限りはトレーニングしたいですね。もちろん休みも大事ですけど」と、無休も辞さない構えだ。「野球が好きなので」。開幕ローテーション入りへ、立ち止まるつもりは毛頭ない。【斎藤庸裕】

 [2011年1月20日10時6分

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