巨人の宮崎春季キャンプで、伝説の400勝投手・金田正一氏(77)のお宝映像を、若手投手陣へ向けた教材にするプランが23日、浮上した。14年連続20勝以上の偉業を達成した全盛期当時の国鉄スワローズ時代のものが、テレビ局で発見されたことが判明。これまで出回っていなかった秘蔵映像を見て「これが勝てるピッチャーの映像だ」と金田氏自ら絶賛し、原辰徳監督(52)にキャンプでの“特別教材”として提供。若手投手陣育成への手助けとなりそうだ。

 V奪回を目指す巨人投手陣に、「カネやん映像」が教本として提供されることになりそうだ。前人未到の400勝左腕、金田氏の往年のお宝VTRが発見された。金田氏の投球といえば、58年の開幕戦で長嶋茂雄氏(現終身名誉監督)を4連続三振に打ち取ったシーンは何度も映像で流されている。しかし白星を重ねていった50年から64年まで在籍した国鉄スワローズ時代のそれ以外のものは極めて少ない。ベテランの域に達した65年の巨人移籍後の映像が多い中、それ以前のものはまさにレアもの。

 金田氏はテレビ関係者から発見されたお宝映像を見せられると「なんて素晴らしいフォームなんだ。これが勝てるピッチャーのフォームだ」と自画自賛。原監督に映像を巨人の投手陣に見せるように持ちかけたところ、前向きな意向を得た模様。

 金田氏といえば、すでに50年以上前に全盛期を迎えていただけに、現役の若い投手陣にはなじみが薄いのはやむを得ない。内海も06年に「金村さん」と言い間違えた。ただし、さんぜんと輝く勝利数を挙げた金田氏の技術は受け継がれていってしかるべきもの。特に内海は「長身・左腕・エース」と共通点も多く、カネやん流を伝承するのに適任者と言える。内海は「あれだけの成績を残されている方なので、学ぶべきものはたくさんあると思います。見る機会があれば、しっかり勉強したい」と、偉大な先輩の映像を参考にするつもりだ。

 金田氏は例年、宮崎キャンプ視察に訪れ、身ぶり手ぶりで投手陣の指導に熱が入ることもある。加えて自らのフォーム映像をあらかじめ見せることで、投手陣がイメージできるようになれば、より理想型に近づくはず。「お宝VTR」が金田氏に続く「伝説の左腕」育成、投手王国復活へ大きなアシストとなる。

 [2011年1月24日8時27分

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