巨人ドラフト1位の沢村拓一投手(22=中大)が1日、評判通りの“剛球”を披露した。キャンプ初日のブルペンで23球を投げ、重くて速い直球で周囲から高い評価を得た。

 剛速球が先輩をうならせた。午後1時15分、沢村は満を持してブルペン入り。捕手を務めたのは偶然にも中大の先輩・阿部慎之助捕手(31)だった。以前から「バッテリーを組んでみたい」と話していただけに、絶好のシチュエーション。直球を15球、スライダーを8球受けた阿部は「よかったですよ。特級品ですね。上原さん(現オリオールズ)の全盛期の球を重くした感じ。いいところを伸ばしてほしい」と、潜在能力の高さを認めた。

 立ち投げの初球、ドシーンと、重く伸びのある直球がミットに吸い込まれた。スライダーは制球が乱れたものの、最速157キロを誇る直球は内外角の低めに決めて精度も高かった。後方から投球を見守った原監督も「うわさ通り速いね。早く(自分の)ペースを見つけて、どんどん盗んで厚みを増していけばいい」と、大いに期待した。

 沢村は「首脳陣もいますし、力んだ部分もあった。コントロールがばらばら。でも変化球を投げられたのは前進ですね」と、課題も露呈したが前向きだった。伝説の沢村栄治氏が誕生した2・1。同じ日にプロとしての第1球を放った。「特にそう(運命とは)思わないですけど、(誕生日だと)知ってはいました」と無邪気に笑った。長丁場のキャンプについて「1日1日課題をクリアしていきたい」。新たな沢村伝説の道はまだ始まったばかりだ。【斎藤庸裕】

 [2011年2月2日9時10分

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