巨人のドラフト1位ルーキー沢村拓一投手(22=中大)が11日、2度目のフリー打撃に登板し、度胸、リズムともに満点の投球を見せつけた。

 S班のメンバーは、沢村の直球の速さを異口同音に指摘した。ラミレスは「速い。たぶん150キロくらい出ている。スライダーも速い」とスピードを強調。ただし、「コントロールはこれからだね」とも付け加えた。高橋は「速かったねえ。前に飛ばなかったよ」と言い、小笠原も「いいボール、来ていたと思いますよ」と話した。ブルペン投球を見ている阿部は「低めに来るボールが、いいボールかなと、捕っている時に感じていた。その精度をどんどん上げれば」と低めの直球に着目。また「堂々と、テンポよく投げていた」と、ズラリと並んだ強打者を相手に気後れなく振る舞ったとも話した。

 ただ、チームのキャプテンで、中大の先輩でもある阿部は報道陣に「快投とか書かないで。打撃投手をしに来ているのだから」と話した。フリー打撃は、走者やカウントなどの制約なく、文字通り自由に打つことを目的にした打撃練習。結果に一喜一憂すれば「アピールの場になっちゃう」と、チーム練習の私物化にもつながりうると危ぶんだ。実際、沢村の前に登板した越智は「フリー打撃だし、抑えようとは思ってません。コースと低めに投げることだけ考えました」と話す。キャプテンからプロ1年生への心遣いだった。【金子航】

 [2011年2月12日7時52分

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