竜のイケメン右腕が大魔神に変身した。中日浅尾拓也投手(26)が18日、元米大マリナーズの佐々木主浩氏(42=日刊スポーツ評論家)から伝授された「大魔神フォーク」を試投した。スライダー回転とシュート回転する2種類のフォークに本人もビックリ。昨季の最優秀中継ぎ右腕が、沖縄で新たな武器を手に入れた。

 本人もビックリの軌道を描いた。投げている浅尾が驚くのも無理はない。フォークボールがスライダー回転しながらストン。そうかと思えば、次はシュート回転しながら沈んだ。受けた谷繁もただ、ただ苦笑いを浮かべるしかなかった。この日、ブルペンで投じた球数は背番号と同じ41球。そのうち、5球が佐々木氏から教えられた「大魔神フォーク」だった。

 「教わったばかりだったので早く試したかった。使い分けるまではいっていないけど、投げ分けることができれば武器になると思う。2、3球は感触のいい球があった」。

 きっかけは前日17日だった。韓国・LGとの練習試合の前に谷繁に呼び止められた。「せっかくだから握りだけでも教わっておけ」。その横に立っていたのがLGの臨時投手コーチとしてチームに帯同していた佐々木氏だった。浅尾はその場で握り方や手首の使い方を伝授されたという。

 球を受けた谷繁も少なからず手応えを感じていた。横浜時代に、佐々木氏ともバッテリーを組んでいた男は「本人が良いって言うんだから良いんじゃない。自分で、いろいろやってみることは良いこと。まだ(開幕まで)試合もあるし、やってみたら良いと思う」と実戦導入をイメージしていた。

 まさに鬼に金棒だ。昨季の最優秀中継ぎ右腕は、昨年まで封印していたパームも解禁。140キロ台の高速フォークに加え、左右に動く「大魔神フォーク」を習得すれば、投球の幅は確実に広がる。

 「(大魔神フォークは)使えるようになるにはまだまだです。練習していって使えるようになれば、試合でも使っていきたい」。

 今日19日には今季初実戦となる韓国SK戦(北谷)に登板する予定。本人は即実戦導入は否定したが、開幕までに練習試合やオープン戦で試すチャンスは山ほどある。ベビーフェースがこわもてに変身-。球界を代表するセットアッパーがさらなる進化を遂げそうな予感だ。【桝井聡】

 [2011年2月19日11時1分

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