プロ野球界に東京電力“管外”でもナイター開催を見送る動きが出てきた。中日西脇紀人前球団代表が、4月28日横浜戦(ナゴヤドーム)を当初のナイターから開始時間を繰り上げて実施すると明かした。開始時間は調整中だが、横浜の移動の負担を考慮した措置。今後全国的に、同様の開始時間繰り上げが増える可能性がありそうだ。

 節電によるナイター自粛の動きが、圏外とみられた名古屋にも及んだ。中日西脇前球団代表は臨時理事会から一夜明け、4月28日横浜戦の開始時間を繰り上げることを明かした。

 「開始時間だけのことなので現場の理解さえあれば、そう難しい話ではない。薄暮ゲームということで、横浜さんとも合意した」

 前日24日の臨時理事会後に両球団で話し合い、この日もう1度確認して決めた。同26日からの中日-横浜3連戦は浜松、豊橋、ナゴヤドームと場所を変え、いずれも午後6時開始だった。しかし、3戦目だけ開始を早める。時間は調整中だが、翌29日に横浜スタジアムでの巨人戦を控える横浜は試合後の移動が可能になる。ナイターのままなら横浜は翌日に移動即デーゲームとなり選手に負担がかかる。この点に最大限配慮した。

 ナゴヤドームは中部電力管内。電力事情が苦しく、計画停電区域のある東京電力管内とは状況が違う。大震災後のオープン戦でも節電には務めてきたが、現状でナイター開催に支障はない。選手のコンディション、営業面を考えれば平日ナイターからの時間繰り上げは苦渋の選択と言えるが、相手側に配慮。チケット販売前だったという事情もあるとみられるが、大局的な視点からの素早い“英断”となった。

 4月中は東京電力管内でのナイター自粛がセ・パともに決まっていて東京ドームはデーゲームも含めて使用を見送る。スムーズな試合運営を優先すると、圏外でも「ナイターからデーゲーム」に変更する動きが全国に広がる可能性もある。