阪神能見篤史投手(31)が今日26日の広島戦で勝率100%のマウンドに上がる。09年のオープン以降マツダスタジアムでは6戦全勝で防御率0・46。この日、甲子園での練習を終えた左腕はいつになくリラックスした表情。“庭”での自身への投球に対する、期待の表れかもしれない。

 「変わっていることはない。投げやすいです」。

 3月23日の練習試合・広島戦でも3回2安打1失点と上々の予行演習を終えている。もっとも場所に限らず先発すればチームは15戦不敗、自身11連勝中だ。球団記録の井川慶(現ヤンキース)の先発12連勝も狙える安定感が頼もしい。

 「記録はもう自分の中では、止まっていると思っている。打線に助けられていたし、6失点したこともあった」。昨年4月10日の巨人戦(東京ドーム)では、2回1/3で6失点降板。その後、打線が逆転し黒星を逃れていたが、先発の役目を果たせなかったことで気持ちはリセットされている。ただ、不調をカバーしあうのがチーム。リーグ5位の2割3分6厘に沈む打線を、信頼厚い左腕が今こそ“援護”するときだ。

 再び前田健との投げ合いが予想される。12日の開幕でも白星を挙げた能見は謙遜するが、負ける気はない。

 「向こうの方が上ですからね。でも、週の頭は大事ですから、そういうのは受け止めないといけない。最少失点で行かないといけない」。不敗神話を守り、5勝5敗1分けのチームを貯金生活に導く。【鎌田真一郎】