巨人が“V字トレード”を敢行した。9日、2球団との2件の金銭トレードが発表された。日本ハム高橋信二捕手(32)を獲得し、西武に星孝典捕手(29)を譲渡した。高橋信は、捕手としてより右打者としての補強。対左投手の打率が2割2分2厘8毛とリーグワーストにあえぐ打線のカンフル剤にと期待される。同日に2件のトレードは異例のこと。「出して、取る」。三角トレードならぬV字トレードで、巨人はV奪回へ突き進みたい。
借金生活から抜け出せない巨人にとって、課題の1つが左腕対策だった。8連敗中の阪神能見を筆頭に、阪神岩田、中日川井、ヤクルト石川ら、左投手に苦しみ続けている。原監督もオープン戦から「左腕対策をどうにかしないと」と頭を抱えていた。そんな打線へのカンフル剤として、日本ハムの4番経験者を補強した。09年の日本シリーズでは4番として対戦し、26打数10安打、打率3割8分5厘、2本塁打5打点と打ち込まれた。その実力者に白羽の矢を立てた。
左腕を克服しない限り、巨人のV字回復はない。これまでは、三塁にはライアルがレギュラーとして出場してきたが、打率2割1分2厘、0本塁打とさっぱり。右打者という長所が、結果につながったケースは少ないのが実情だ。右打者の選択肢が増えれば、三塁は亀井をメーンにできるメリットがある。
また、17日から始まる交流戦では、ラミレスをDHにし、対左腕の試合では矢野や谷ら右の外野手をスタメン起用することになる。その際、右の代打が手薄になる。現在離脱している主力も阿部、高橋由はともに左。右打者の底上げは必須事項だった。
この日、都内の球団事務所で会見した清武球団代表は「そんなに遠くない時期にぜひ出てもらいたいと思います。1軍のグラウンドに出て、いつでも戦える状態だというのは確認している」と、1日も早い1軍合流を期待した。今日10日に川崎市のジャイアンツ球場で入団会見を行い、明日11日には東京ドームで原監督らナインにも対面する。
原監督とも合流時期について相談したという同代表は「あいさつしたら『ちょっとやってみよう』という話になるのが、うちの監督の常だから。すごく期待しているんじゃないですか」と、即起用しそうな雰囲気だったと話した。横浜は明日11日に中4日で左腕山本が予想される。さっそくカンフル剤の威力が発揮するかもしれない。
◆高橋信二(たかはし・しんじ)1978年(昭53)8月7日、岡山県生まれ。津山工を経て、小笠原と同じ96年ドラフト7位で日本ハム入団。強打の捕手として頭角を現し、03年に1軍の主力に定着、04年には自己最多の26本塁打。09年に初の打率3割をマークしベストナインとゴールデングラブ賞を獲得した。昨年は4月4日に国内FA権を取得したが、7月1日の西武戦で頭部死球を受け後半戦を棒に振るなど苦しいシーズンとなった。家族は、01、02年に巨人のマスコットガールだった梨恵夫人と1男1女。182センチ、85キロ。右投げ右打ち。



