ソフトバンク多村仁志外野手(34)のシーズン前半戦出場が厳しくなった。前夜に左手小指裂傷で8針の縫合手術を受け、9日に登録を抹消された。秋山幸二監督(49)と今後の方針を確認した後、福岡ヤフードームを離れる際、多村自身が7月下旬の球宴前後を復帰メドとすることを明らかにした。

 「(傷口が)思い切りえぐれていた。抜糸するまでに2、3週間かかる。それまで(感染症のおそれがあり)汗をかいたり、動くこともできないと言われた。バットを握るまで1カ月。何とか球宴前に戻ってきたいけれど」。

 前日8日巨人戦の6回に死球を受けて左手小指を裂傷、途中交代していた。8日まで全45試合に出場。打率2割6分9厘、2本塁打と苦しみながら、守備では外野の要として活躍。腰痛や左肘痛など体の各所に痛みを抱えながらプレーを続けていただけに「ほかの場所も治してきます」とも話した。

 順調に白星を積み重ねているが、攻守でキーとなる主力選手の離脱に秋山監督も「(時間が)かかるみたい。そういう報告を受けている。縫い方も普通とは違うようだ。1日も早く治すのが一番」と表情を曇らせた。

 今後は横浜の自宅に戻り、当面は静養につとめる予定。チームは多村復帰まで内川をライトかセンターで起用し、松中やオーティズに左翼を守らせるオーダーが基本線となる。