球界を代表するスターたちが一堂に集う晴れ舞台の裏で、勝利に飢えるベテラン左腕が大粒の汗を流した。2軍調整中の阪神下柳剛投手(43)が22日、異例の休日返上練習を行った。球宴休みで静まり返る鳴尾浜を訪れ、約1時間ランニングやキャッチボールに黙々と励んだ。周囲を寄せ付けず、無言のまま引き揚げた。

 球宴5度出場の栄光をかなぐり捨てた。今季は開幕ローテ入りを果たしたが6試合で2敗を喫し防御率3・54。序盤の3試合は5回以上を投げたが、5月12日広島戦以降はKO続き。今季初勝利が遠い。6月6日オリックス戦では今季最短の2回1/3で降板し7日に登録抹消。プロ通算129勝の43歳が、もがき続けている。

 26日から再開する後半戦は6連戦が続くタイトな日程だ。再昇格への決意を、背中で示した。今後は29日からのウエスタン・リーグ中日3連戦(鳴尾浜)で5回をメドに先発する見込みだ。ベテラン左腕の逆襲はここからだ。