<ソフトバンク4-1日本ハム>◇29日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクが日本ハムとの首位攻防第1ラウンドを制し、単独首位を守った。1点を追う3回。秋山幸二監督(49)が決断したバスターエンドランがピタリ的中。逆転に成功し、そのまま逃げ切った。同監督通算200勝目で、両リーグ通じて50勝一番乗り。今日30日の第2戦、杉内VSダルビッシュのエース対決で勝てば、一気に独走態勢に入りそうな気配だ。

 秋山監督の攻めの一手が、逆転勝利へのくさびとなった。1点を追う3回無死一塁。打者長谷川のカウントが3ボール1ストライクになった時に動いた。送りバントから一転、バスターエンドランだ。日本ハム・ケッペルの低めの直球系の球を長谷川は右前打。無死一、二塁として、そこから川崎の同点打、本多の犠飛で逆転に成功した。

 「バスターエンドラン、送りバント。少ないチャンスで点が取れたのが大きかったな」。秋山監督は多くを語らなかったが、勝算があっての積極策だ。2回のオーティズ、3回の多村に対して、ケッペルはカウント3ボール1ストライクからいずれも直球系の球で攻めていた。秋山監督は現役時代に10度のリーグ優勝、指揮官としても2年目で優勝を成し遂げるなど、勝ち方を知っている。

 日本ハムとの首位攻防初戦で、勝負師の顔が、幾度ものぞいた。7回の継投でも攻めた。2死二塁で2番手金沢が、代打今浪に3ボール。リードは1点。逆転の走者と覚悟しながら、迷わず歩かせるよう指示。3番手森福を送り出し、ピンチを防いだ。

 打線改造も奏功していた。リーグ戦再開後3試合で12打数無安打だった多村を5番から7番へ。その多村が3、7回で2度出塁して2得点。打った手が、いずれもライバルを引き離す契機になった。

 「今日はよかった。また、明日だな。1つ取れるように。ダルビッシュを何とかな」。79試合目のハイペースで50勝一番乗り。何より、日本ハムとのゲーム差を1・5にした。今日30日は、今季2敗を喫しているダルビッシュ。エース杉内で勝てば、2強の勢力図が大きく変わるのは、間違いない。【松井周治】