<楽天12-6西武>◇4日◇Kスタ宮城

 楽天とは思えない?

 猛攻で西武を沈めた。主役は3安打5打点の松井稼頭央内野手(35)だったが、代打出場した中島俊哉外野手(31)の2号3ランで、今季初の2ケタ得点に乗せた。4番山崎武司内野手(42)は本拠地では6月以来となる打点をマーク。牧田明久外野手(29)も2点二塁打を放つなど、故障から復帰したメンバーの活躍も光った。

 ワッショイ、ワッショイの掛け声がやまない。明日6日開幕の「七夕まつり」より一足お先にとばかりに、Kスタ宮城はお祭り騒ぎだった。あと1本が出ずに苦しんでいた楽天打線が、たまりにたまっていたうっぷんを、これでもかとバットで晴らした。

 今季84試合目で初めて2ケタ得点の壁を破ったのは、左キラー中島だった。9点を奪い、なおも4回2死一、三塁。西武が左の松永にスイッチしたところで代打起用に応え、左翼ポール際に2号3ラン。5月8日、これも西武の帆足から放って以来の1発に「ヒットと思って走ったけど、審判の手が回るのが見えて、メチャメチャうれしかった」と喜びを爆発させた。

 忘れられない言葉があった。5月19日、打撃練習中に左脇腹を負傷。肉離れと診断されて長期離脱し「星野監督から『アホ』と言われました」。生活が不便だったリハビリ中は、震災の影響で福岡に里帰りしていた聖美夫人が仙台に戻り、献身的に支えてくれた。「本当は先月、福岡に戻る予定だったけど、今もずっといてくれてます。早く家に帰って報告したい」。お立ち台でもらった、生後9カ月の娘より大きい球団マスコットのぬいぐるみを手土産に、帰路についた。

 期待が大きいからこその「アホ」発言に発奮したが、試合前には山崎も“口撃”を受けていた。練習から戻ると「俺は怒ってるんだぞ。昨日、おまえが打ってたら勝ってた」と指揮官から公開説教された。42歳のベテランが背筋を伸ばし「すみません、頑張ります」と気合を注入され、3回に適時打をマーク。本拠地では、右手薬指を骨折した6月11日中日戦以来の打点で、本拠地ファンに復活をアピールできた。

 春季キャンプ中に肩ひじを痛め、開幕に間に合わなかった牧田も意地を見せた。3回に左中間を破る2点適時打を放ち「出遅れた分、何とか取り戻したい」という必死の思いを打球にこめた。いずれも故障で長期離脱を余儀なくされたメンバーがそろって活躍し、今季最多得点の立役者になった。

 試合開始直前に強い雨に見舞われ、雨が上がった後は霧が立ち込めた。視界不良のモヤも、これまでの貧打のモヤモヤも吹き飛ばす15安打12得点の猛攻撃。これには星野監督も「2アウトからよくつないで、しつこさがちょろっと出てきたかな。うちに一番足りないのが貪欲さだけど、今日は貪欲にいけた。みんな気分がいいだろ」と目尻を下げた。【柴田猛夫】