<楽天1-8日本ハム>◇7日◇Kスタ宮城

 楽天田中将大投手(22)、こん身の力を込めた決め球が、いとも簡単に打ち返された。2回先頭、日本ハム稲葉を2ボール2ストライクと追い込んだ。5球目。捕手伊志嶺のサインに3度、首を振りインロー真っすぐを選ぶ。151キロを投げ込んだが、芯でとらえられた。右翼席中段への先制ソロが自己ワーストタイ7失点の引き金となった。ただ、潔さは相変わらず。「調子自体はすごく良かった。抑えられないのは投手の技術不足。完全に力負けです」と表情を変えず一気に吐き出した。

 天敵との“読み合い”に敗れた。今季は前日6日の試合まで、楽天投手陣は稲葉に46打数19安打、打率4割1分3厘と打ち込まれていた。三輪バッテリーコーチの分析は「完全な読み負け」。19被安打の内容から、打者稲葉の傾向は分かっていた。走者がいれば、走者を進めるため外寄りも引っ張る。無走者で追い込まれたら、強引な打撃は避け軽打する。変幻自在。対策を問われ、星野監督は「傾向をどう解釈し、料理するか。裏をかいたり、意表を突いたり」と挙げていた。

 迎えた第1打席。2ストライクまでは順調だった。無走者の場面。軽打を警戒しつつ、セオリーは外角低め変化球で空振り狙い。田中はあえて真逆を選んだが、稲葉は「(首を振ったのを見て)絞れたわけじゃないが、相手の得意球が意識にあった」。1回、田中の直球は走っていた。“裏”の手は読まれていた。

 悔いが残るとすれば、内角も、低めも、稲葉のもっとも得意なゾーンだったこと。当然、把握した上で意表を突きに行ったが、相手が上回った。田中は「配球どうこうじゃない。投手が悪い。せっかくの日曜でたくさんファンも来てくれたのに。反省します」と言い訳しなかった。苦い経験を糧とする。【古川真弥】