<楽天1-2ソフトバンク>◇28日◇Kスタ宮城

 楽天は、球団新となる8連勝を達成できなかった。6回、松井稼頭央内野手(35)の8号ソロで同点。リリーフ陣の踏ん張りで押せ押せムードだったが、不振の4番山崎を先発から外した新打線が機能せず、好機に1本が出なかった。12球団NO・1の防御率を誇るソフトバンク投手陣から勝ち越し点までは奪えなかったが、連勝中に培った粘り強さがシーズン終盤のラストスパートにつながるはずだ。

 いまだかつて経験のない8連勝への夢を乗せた放物線だった。1度浮き上がって、ブレーキがかかって落ちてくる縦スライダー。松井稼の強靱(きょうじん)な下半身が肩の開きを阻止。もう1度、足でためをつくると、体の軸回転でパワーを解放する。柔らかく舞った白球は頂点からゆっくりと下がり、右翼席の最前列ではねた。

 「うまいこと、バットに引っかかってくれた。走りながら、途中まではいくかなあって感じだったけど、入ってくれてよかったね」。それまでチャンスらしいチャンスもつくれなかった摂津から、6回に値千金の同点ソロだ。8月に入って打率3割1分6厘、3本塁打、14打点。絶好調のリードオフマンが、押せ押せムードに拍車をかけた。

 とはいえ相手は、30以上の貯金を稼いできたソフトバンクの強力な投手陣。チャンスは少ないだけに、攻撃のミスは致命傷だった。8回、先頭の嶋が二塁打で出塁。続く聖沢がバントを失敗し、嶋がはさまれてタッチアウト。俊足の聖沢が一塁に残った。盗塁王争いで並んでいた本多が、目の前で2つ決めた。本拠地ファンは、どんなに警戒されても、失敗を取り返す貪欲な走塁を期待したが、見られぬままに終わった。

 聖沢には基本的にノーサインで走らせるベンチから、その場面は「ストップ」の指示が出ていた。けん制死していたこともあり、ミスが続く悪循環を考慮。まだ成長途上だけに、心情をおもんばかっての采配だった。10回も1死二塁と一打同点のチャンスをつくったが、聖沢が三振、松井稼が四球の後、内村が投ゴロ。あと1点が遠かった。

 打撃不振の4番山崎が16試合ぶりにスタメン落ち。細かい野球を徹底したい打線を組んだだけに、この日のように機動力を使いたい場面が今後は増えてくる。松井稼は「負けたのは悔しいけど、粘りは出ている。切り替えていくしかないね」と強調した。連勝中に見せた勝利への執着心、粘り強さは、さらに激しさを増すCS争いへとつながるはずだ。破竹の快進撃は止まったが、落ち込んでいる暇はない。【柴田猛夫】