<西武1-0日本ハム>◇28日◇西武ドーム

 日本ハムは打線が沈黙し、2カード連続の負け越しとなった。38歳のベテラン西口を前に、散発3安打10三振。4回以降は1人の走者も出せず、三塁を踏めずに西口に6年ぶりの完封勝利を献上してしまった。この日、楽天に競り勝った首位ソフトバンクとは再び今季最大タイの5ゲーム差に開いた。

 いらだちを隠せないようなオーラを漂わせ、失意の帰路に就いた。大ブレーキに突入している、日本ハム中田翔内野手(22)が、また沈んだ。1回2死二塁の先制機を含む2三振で、3打席無安打に終わった。この日で6試合26打席(20打数)連続無安打はプロ入り最長。長いトンネルの中で、出塁は5四球だけとフラストレーションは募ったまま、チームもわずか3安打。今季12度目の完封負けを喫した。

 ベテラン西口に、ひねられた。「コントロールが良かったけれど、打ち損じが…」。1打席目は外角高め143キロに空振り三振。先頭打者の4回は2球目、その凡退した初回のチャンスの残像が残る、やや甘く入った外角高め直球をファウル。狙い澄ましたはずの、ひと振りでとらえ切れずに最後はフォークにバットは空を切った。「覚えてないから多分、ないやろ」という初対戦の熟練右腕に白旗だった。

 中田だけではなく糸井、稲葉の中軸が無安打で計4三振、1併殺。1番のスケールズが1安打1死球でチャンスメークしたが、無得点。最大の先制の気配が漂った3回無死一、二塁では陽岱鋼が一塁前にバントしたが、二塁走者の大野のスタートが緩慢で三塁封殺。チャンスを広げられず、主導権を奪い切れなかった。

 梨田監督は「打線が打てなかったというより、西口を褒めるしかない」と誰も責めず、グッとこらえた。再爆発で、日本ハムの最高の起爆剤になる中田の双肩にかかる。【高山通史】