<日本ハム0-4オリックス>◇15日◇札幌ドーム

 オリックスが木佐貫洋投手(31)の復活勝利でCS進出へ望みをつないだ。背筋痛の寺原に代わって2週間ぶりの先発で6回2安打無失点。「リリーフのつもりでとりあえず3回持てばと。ペース配分とか考えても仕方ないですから」。ここ3試合のリリーフ登板と同じ感覚で83球に力を込め、5月20日広島戦以来の2勝目。「大一番でチームに勝利をもってこれて良かったです」。

 今季は自身初の開幕投手を務めながらピンチに踏ん張れず黒星を積み重ねた。2軍落ちも経験。新たにツーシームを習得し「なぜ生きる」や「心の掃除の上手い人下手な人」といった本に手を伸ばし、メンタル面の変化も追い求めた。

 デーゲームで西武が勝利。負ければCS進出が極めて厳しくなった。「西武が勝つ、勝たないとは別に自分の投球だった。監督が使ってくれたことを意気に感じました」。5月14日の対戦で1イニング8失点と大炎上してトラウマも抱いていた日本ハム戦で、今季最高のピッチングをみせた。

 勝利の瞬間、岡田監督は口を一文字に結び、感情表現は一切なし。「やっとやな開幕投手がな。やっぱり先発投手よ。ゲーム始まる前はあと2つ勝つしかなかったしな。明日、明後日は向こう(西武)がゲームある。もう、最後の準備するだけよ」。今季最終戦の18日ソフトバンク戦(京セラドーム大阪)はエース金子千を送り出す。勝って、あとはライバルの結果を待つだけだ。【押谷謙爾】