新生「横浜DeNAベイスターズ」の新監督就任が決定的な前西武の工藤公康投手(48)が1日、チーム改革案を語った。低迷の要因となっている投手陣のリーダー役に三浦大輔投手(37)を指名。外国人の怠慢走塁を認めず、チーム一体で同じ方向に向かう重要性を説いた。

 ハマのおじさんが、ハマの番長を新球団のリーダー役に指名した。参入が正式決定した横浜DeNA監督候補の工藤は、今季12球団ワースト防御率だった投手陣に目を向けた。「今のチームなら、三浦が引っ張らないといけない」とけん引役を求めた。07年から3年間、同僚の立場で接してきたが「将来的に指導する立場になることも考えて、うるさがられても厳しいことを言えるようにならないと」と行動、言動の両面でリーダーシップに期待した。

 チーム改革を語る言葉に熱が増した。西武、ダイエー(現ソフトバンク)、巨人でリーグ優勝14度、日本一11度を経験。“優勝請負人”と呼ばれたが、唯一優勝できなかった横浜に「1つの方向を向いていないチームは強くならない」と課題を指摘した。外国人の“特権”も認めない。今季限りで退団したハーパーら怠慢走塁が目立つ助っ人には「ありえない。日本の野球をなめてる。メジャーを見てきたけど、有名選手で走らない人はいない」と特別扱いしない方針を示した。30年こだわる現役選手として「走る人はケガをしない」が持論で、全力疾走を徹底させる考えだ。

 この日、横浜の自宅マンション内で取材に応じた。横浜の球団譲渡が正式に承認され「古巣だし、横浜に住んでるし、気にはなっていた。これで、選手たちも安心してできると思う。新しく、勢いのあるDeNAにチームを持ってもらって、選手たちが伸び伸びとやってくれれば、いい結果も出ると思う」と歓迎した。監督オファーについては「正式にきてない。きたら考えます」。いつものように淡々と対応したが、「強くなってほしいねえ」の言葉が何度も口から出た。4年連続最下位球団を、何とかしたい思いがにじみ出ていた。【柴田猛夫】