くよくよするな、特訓だ~。高卒2年目で1軍キャンプに抜てきされる阪神中谷将大捕手(19)は14日広島戦(沖縄)に「4番右翼」で先発したが4打数無安打、守備ではトンネル…。12日の日本ハム戦(宜野座)から8タコ、守乱と散々な内容だが、和田監督は気持ちを出すよう求め、特守と特打の居残り特訓を命じた。試合は6-2で勝利した。

 差し出したグラブの下を、打球が通り抜けていく。ボールはそのまま右翼フェンスまで転々…。8回先頭中東の右前打を中谷がトンネルした。三進を許した。失点にはつながらなかったが冷や汗タラリ。とんでもないミスを犯してしまうのも、スター性の証明か。8回の守備を終え、ベンチで関川コーチから早速“お説教”を食らった。

 中谷

 今日もいいところを見せられなかったので…。自分の練習不足です。切り替えてしっかり反省して、また練習したいです。

 2回1死一塁でも、迎が打ち上げた飛球に目測を誤り右前打にした。打撃でも2三振を含む4打数無安打。6回は左腕中村の119キロスライダーに腰を引いて見逃し三振。8回は止めたバットに当てて一ゴロ。結果、内容とも散々だった。

 1軍デビューした12日の日本ハム戦から8打数無安打とバットが湿りっぱなしだ。同カードでも右飛をグラブにあててポロリ。自慢のバットで結果が出ないモヤモヤが、守乱につながっているのかもしれない。指揮官は未来の4番に“失敗のススメ”を説いた。

 和田監督

 いいヒントがいっぱいあった試合。中谷なんか失敗のススメじゃないけど、もう少し、気持ちを出してね。どんどん失敗してうまくなっていく。1、2試合目で無難にいっていたら、彼のためにならなかったかもしれない。

 沖縄市球場から宜野座に戻って、特訓が始まった。まずは右翼で特守。午後4時から俊介とともに打球を追いかけた。俊介が特守を終えても、和田監督ら首脳陣が見つめる前で、1人だけの特守は4時50分まで続いた。片岡打撃コーチからは特打も課された。まぶしい夕日を浴びながらマシンと対し、約30分、ノーステップで136スイングを振り込んだ。

 中谷

 すべて自分のためです。

 チームにとって生え抜きの和製大砲育成は急務。球団を挙げてスケールの大きい選手に育て上げなければいけない。和田監督は今後も中谷の4番起用を示唆した。悔しさを必ず糧にする。未来の4番よ、はい上がれ!【岡本亜貴子】