ブレーク必至の英才教育だ!

 広島2年目の中崎翔太投手(19)が16日、2度目の“開幕投手”を務めることが決まった。18日オープン戦・巨人戦(サンマリン宮崎)の先発に大抜てきされた。今季初の対外試合となった11日練習試合・日本ハム戦(名護)で2回無安打無失点の好投を見せ、チャンスをつかんだ。日南学園時代にも慣れ親しんだマウンドで強力打線に立ち向かう。

 未来のコイを背負う逸材だ。中崎が2度目の大役を任された。18日にオープン戦で挑む巨人原監督は「ベストオーダーを組みたい」と明言している。19歳の右腕は「打たれて勉強します」と謙遜したが、気後れはない。

 中崎

 強打でめちゃくちゃ打つイメージ。しっかり攻めて0に抑えたい。どの打者が来ても、全力で行くだけ。

 昨年の秋季キャンプで初の1軍キャンプに同行し、カット気味の直球が首脳陣の目に留まり、今回の春季キャンプ1軍スタートを決めた。「期待枠」から「ローテ候補」へと評価を変えたのは、今季初の対外試合となった練習試合・日本ハム戦(名護)。ここでも先発を任された中崎は、中田を遊飛に打ち取るなど2回無安打無失点2奪三振と文句なしの投球を見せた。

 大野投手コーチ

 先発はたくさんいるけど、彼は若いしローテに入らないと困るわけじゃないけど、チャンスがないわけではない。

 才能を秘める若手に、首脳陣も英才教育を施す。昨年の今村とまったく同じ道だ。2度の“開幕投手”を務めた先輩は、2年目でブレーク。54試合に登板し、セットアッパーとしての立場を確立した。

 当日は長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督も試合を観戦する予定。だが、92年生まれの右腕は「ユニホーム姿は分かりません」と、球界の大御所さえも隔世の感がある。

 凱旋(がいせん)マウンドにもなる。日南学園で最後の夏、準々決勝で佐土原に延長戦で敗れたのもサンマリンだ。「高校の大会はだいたいサンマリンでした」。

 “特徴”は把握している。宮崎と県境の、鹿児島・曽於市出身で小学生時代には巨人のキャンプを見に来たこともある。怖いもの知らずの大型右腕が、巨大戦力で腕を試す。【鎌田真一郎】<中崎翔太アラカルト>

 ◆生まれ

 1992年(平4)8月10日、鹿児島・曽於市。

 ◆球歴

 財部小時代に財部サンデースで軟式野球を始める。財部中時代に都城リトルシニアに所属。日南学園では2年秋にエースとして宮崎県大会で優勝。3年春には県大会準優勝。同年のドラフト6位で広島入団

 ◆兄弟プロ野球選手

 2歳年上の兄雄太は、08年にドラフト1位で西武に入団。プロを目指すきっかけになり、尊敬する人

 ◆好きな言葉

 「初志貫徹」。兄がプロ入りしたとき、プレゼントしてくれたグラブに刺しゅうされていた言葉。

 ◆好きなタレント

 新垣結衣。

 ◆ニックネーム

 ぷよぷよ、ルパン。

 ◆サイズ

 186センチ、90キロ、右投げ右打ち