<中日2-2広島>◇1日◇ナゴヤドーム

 昌さん、すいません-。中日浅尾拓也投手(27)にとっては悪夢のマウンドになった。2点リードの8回から登板。ファンは4年ぶりの開幕3連勝をほぼ確信しただろう。ところがこの日は制球、キレともいまひとつ。何とか2死一、二塁までこぎ着けたが、松山と広瀬に連続適時打を浴び、山本昌の勝ちを消してしまった。「内容どうこうよりも、山本さんに申し訳ないことをしました。頑張ってるのを見てきたので…。情けないですね」。悔しそうに唇をかんだ。

 自責点は昨年8月6日の横浜戦以来、登板35試合ぶり。2失点は10年9月25日の横浜戦以来、82試合ぶりの“事件”だった。粉骨砕身で連覇に貢献したMVP右腕を責める者はいない。高木監督も「浅尾もいい時ばかりじゃない。年に1、2回あるかないかのこと。全然心配してない」とかばった。だが浅尾は誓った。「これから返せるように…」。山本昌、そしてチームへ、今度こそ救い投げで勝利を届ける。【松井清員】