<楽天5-0ソフトバンク>◇3日◇Kスタ宮城
楽天鉄平外野手(29)が、チームの今季初勝利につながる一打を放った。2点リードの5回、2死一、二塁から右中間を破る適時三塁打で、2点を追加した。09年の首位打者も昨季は不振で2軍落ちを経験。今季も開幕戦から途中出場が続いたが、初スタメンで結果を出した。投げては先発の塩見貴洋投手(23)がプロ初完封。投打がかみ合った楽天の連敗は3でストップした。
迷いを振り切るように、鉄平はバットを振った。2死から敵失と四球で生まれた5回の好機。内角の直球を捉えた打球は右中間を真っ二つにした。万歳でベンチが盛り上がる中、鉄平は表情を変えなかったが、お立ち台では「みなさんも思ったかもしれませんが、(打撃不振だった)去年と今年の僕にしては珍しい打球だと思いました」と観客を笑わせ、ほおを緩めた。
苦悩の日々が続いた。09年から2年連続で打率は3割超え。来た球に対し自然と体が反応して打てていた。だが昨年、統一球の影響もあって、打撃時のインパクト、体のバランスや体重移動にズレが生じ始めた。結果が出なくなり考え込む。次第にフォームは崩れ、予想以上の厚い壁にぶち当たった。「自分の中で自然にできていたことが、いつのまにか崩れていた。経験したことがなかったので、どう修正していいかわからなかった。だから1年以上も苦しんでいるんだと思います」と明かした。
練習で巨人小笠原の構えをまねたり、ノーステップ打法も取り入れるなど、試行錯誤の連続だった。「自分の経験を頼りに探していくしかない」。開幕直前の3月24日の中日戦、今度はバットを一握り短く持った。スタメンで2安打を放ち「体が反応して振れた。もともとあった感覚がわき上がってきた」。手応えを忘れずバットを振り続けた。その後、指1本分短く持つ自分のスタイルに戻し徐々に状態を上げた。もがき苦しんだ末にたどり着いた。
鉄平人気は根強く、開幕戦で途中出場した際もファンの歓声はひときわ大きかった。「(期待は)感じますよ。なにやってんだ、頑張れということでしょう」としみじみと話した。お立ち台でメッセージを送った。「僕自身、出たり出なかったりでふがいない姿を見せています。ファンの皆さんの一段と大きい声援は聞こえています。それを胸に、頑張っていきたい」。澄みきった表情に復活への兆しが見えた。【斎藤庸裕】



