<楽天6-7ソフトバンク>◇5日◇Kスタ宮城

 右の長距離砲として期待される楽天牧田明久外野手(29)が、待望の1発を放った。同点の3回、今季1号となるソロ本塁打。6回には1死満塁から遊撃内野安打を放つなど、4打数2安打2打点で3番の役割を果たした。先発上園は4回2/3を7安打3失点で降板。投手陣が踏ん張れず、連勝は2でストップしたが、中軸の奮起と中盤の追い上げは好材料だった。

 滞空時間の長い、きれいな放物線だった。牧田は左腕ピントの見逃せばボールの高め直球を、コンパクトに振り抜いた。打球は高く上がり左飛と思われたが、風にも乗ってスタンドイン。予想以上に伸びた打球に、少し驚きを見せながらも「芯は食ったんで感触はよかったですよ。Kスタ宮城で、ファンの前で1本目が打てて良かったです」と、ホッとした表情で話した。

 今季は中軸としてキャンプから高い期待を受けた。練習を視察した清原和博氏(44=日刊スポーツ評論家)からも「インコースを打つのが本当にうまい」と評されるほどの打撃センスを持つ。2月の練習試合、オープン戦でも4番を任された。だが4番での打率は1割4分3厘。「4番のときは変に力が入ってましたね。プレッシャーに弱いんですよ。僕、ふつうの人間なんです。周りからもよくそう言われますね」と緊張で自分のスイングができなかった。

 だが3月4日に3番に起用されてから、本来の姿を取り戻した。その後の打率は2割7分3厘と上昇。プレッシャーから解放され、得点圏打率も4割4分4厘と勝負強さを見せた。もともとは「力を抜いてスイングすることを心掛けてます」と、インパクトの瞬間に力を爆発させるタイプ。この日もソフトバンクの先発ピントの球威ある直球に力負けせず「いい感じで振れました」と納得のスイングでスタンドへ放り込んだ。

 チームは惜敗したが、星野監督は「うまく風に乗せたね」と中軸の1発を評価。今季6試合目でのアーチに牧田は「本当は開幕戦のときに、打てれば良かったんですけどね」と申し訳なさそうに話した。昨年まで右肘のケガに泣いたが、今季はレギュラーとして144試合出場を目指す。プロ11年間で通算9本塁打と遅咲きの大砲が、目覚めそうな予感だ。【斎藤庸裕】