<西武0-13日本ハム>◇16日◇西武ドーム

 主砲の今季初タイムリーで2年連続の10勝一番乗りだ!

 日本ハムが苦手の西武西口を攻略して3連勝を飾り、貯金を今季最多の4とした。初回に4番中田翔内野手(22)の先制適時打で口火を切ると、7回には5安打を集中して一挙6点。13安打で今季2度目の2ケタ得点となる13得点、今季初先発の多田野数人投手(31)に3シーズンぶりの白星をプレゼントした。

 完全復活した4番が天敵攻略の口火を切った。中田が1回1死一、二塁の好機で左前へ運んだ。これが今季初適時打となり「知ってます」と、本塁打以外での初打点に笑顔を見せた。5回には四球で出塁して1死一、二塁の好機を演出すると、スレッジの右前適時打を右翼の石川がファンブルしている間に一塁から長駆ホームイン。「そういうところで、(気持ちを)抜かないことを今年は頭に入れてやっている。走塁でも貢献したいと」。相手のスキを突く積極的な走塁で貴重な追加点となった。

 前日15日楽天戦で2号サヨナラソロを放った。いい流れのまま、試合に入ることができた。「確かに余裕はあったけど、自分のスイングをしようと思った」。1回に続き、9回にはこの日2本目の右前適時打。3四球を選ぶなど打線の中心として存在感が際だった。「エラーでも、四球でもとにかく塁に出る。それで次に回すのが僕の仕事」と、胸を張った。

 この日は、昨年2戦2敗と苦手にしていた西口が相手だった。試合前、相性の悪さを認めていた栗山監督も、主導権を奪った中田の打撃を手放しに褒めた。「最初に翔が打って、大きかったね。(5回の走塁に)あれが求めている4番。しっかり走れるしね。そういうところから打つ方もよくなってくる」。我慢強く、4番起用を続ける監督の思いにも応えた。打線全体も、西口の球をしっかり見極めて5四球を選んだ。6回までに110球を投げさせ、完全攻略に成功した。

 終わってみれば今季2度目の2ケタ得点、投手陣も無失点リレーで両リーグ最速の10勝目に到達した。それでも栗山監督は「この前も北九州のあと、やられている」と、試合後はすぐさま今日17日の試合に頭を切り替えた。11日のソフトバンク戦で14-0と大勝した翌日、0-4で完敗している。だが、前回と違うのは4番が上昇気流に乗っているところ。「今まで貢献できなかった分、打撃だけでなく走塁や守備でも食らいついてやっていきたい」。頼もしい主砲が二の舞いを踏ませない。【木下大輔】

 ▼日本ハムが2年連続でセ・パ12球団10勝一番乗り。15年ぶりに記録した昨年も西武戦(札幌ドーム)だった。開幕から16試合目での10勝到達は、04年の本拠地北海道移転後では2番目の速さ。最も速いのは昨年の15試合目。リーグ優勝した06年は19試合目、07年は29試合目、09年は17試合目で到達している。この日の勝利で北海道移転後、通算600勝となった。