<ウエスタン・リーグ:巨人3-4阪神>◇19日◇宮崎アイビー

 今がチャンス!

 阪神野原将志内野手(24)が2軍交流戦巨人戦で、逆転勝利を呼び込む二塁打を放った。2回には犠打を決め、状況に応じた役割を果たした。1軍は、城島が長期離脱し、不振のブラゼルも楽天戦でスタメン落ち。チャンスを逃すわけにはいかない。1軍昇格へアピールを続ける。

 左中間を真っ二つに割った。1点ビハインドの7回。野原将が1軍経験豊富な巨人真田の140キロ直球をたたき、二塁打でチャンスメークした。清水の同点適時打を呼び込み、敵失で勝ち越しに成功。逆転劇の口火を切る一打だった。15日ウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)では2号ソロを放っており、調子は上向きだ。

 「いい感じのまま打てています」

 今季は同リーグ開幕から4番に座ったが、4月下旬に降格した。この日は「7番三塁」でスタメン出場。2回無死一塁の場面では初球を投前に転がして犠打を決めた。「ああいうところが求められてくる。一発で決められたのは良かった」。1軍に昇格すれば当然、小技も求められる立場だ。

 1軍では、一塁を守る城島が来週中に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受ける予定で、前半戦は絶望的。ブラゼルも不振で、この日の楽天戦でスタメンを外れた。2軍で一塁と三塁を守る野原将にとっては、今がチャンスと言える。

 「自分自身、チャンスだと思うので、結果を残していつでも呼んでもらえるようにしたい」

 吉竹2軍監督は「ここ一番で打てる選手になってほしいし、局面に応じていい形を出せる選手になってほしい。例え打率が低くても大事な時に勝負できれば評価が上がる」と期待する。打力が売りの野原将だが、それだけで飯を食える世界ではない。正念場の高卒6年目。今こそ踏ん張り時だ。【岡本亜貴子】

 ◆野原将志(のはら・まさし)1988年(昭63)4月4日、長崎県生まれ。長崎日大では高校通算30本塁打も、甲子園には不出場。06年高校生ドラフト1巡目で阪神入団。10年のウエスタン・リーグ7本塁打はチーム最多。今季ウ・リーグで32試合に出場し、2本塁打、14打点、2割2分5厘。184センチ、85キロ。右投げ右打ち。