<ウエスタン・リーグ:ソフトバンク2-4阪神>◇30日◇雁の巣

 出てこい!

 イキのいいの!

 阪神のドラフト2位ルーキー・歳内宏明投手(18=聖光学院)が公式戦連勝を決めた。ウエスタン・ソフトバンク戦で7回1失点。22日の同オリックス戦に続き、白星を挙げた。打っても黒瀬春樹(27)、森田一成(22)の両内野手がともに猛打賞の活躍。次の1軍戦力はだれだ!

 7回を投げて1失点は記録的にここまでの登板でもっともいい内容だ。最速142キロのストレートに得意のスプリット、カーブを交えた99球で2連勝。それでも歳内はまるで納得していない表情だった。

 「初回がよくなかったですね。変化球が入らなかった。でも初回だけなんですけど。真っすぐは前回よりもいい感じでいっていたと思います。142キロは速くないですけど」

 味方打線が2点を先制した直後、初回のマウンドに苦しんだ。2つの四球で1死一、二塁にした後、田上に適時打を浴びる。それでも立ち上がりの乱れをすぐに修正、立ち直った内容は高卒1年目とは思えない冷静さだ。

 「少し前回よりよくなかった。課題はコントロールだな。ずっと言っているが落ちる球はもっと低めのボール球にしないとダメ。ストライクを取るのではなく空振りをさせないと。でも順調には来てるよな」。中西2軍投手コーチは課題を指摘しながらも、その成長を認めた。

 高卒ルーキーでは、楽天釜田が一番乗りで1軍白星を手にした。歳内は意識しているのだろうか。

 「それは少なからずあります」。キッパリ話した歳内の起用を続ける吉竹2軍監督も「ライバルに負けたくないと思ってやっているよ」と話す。交流戦明けから投手が苦しくなる夏場にかけてルーキー歳内の出番が来るか。