【フェニックス(米アリゾナ州)19日(日本時間20日)=四竃衛】西武から海外FA(フリーエージェント)権を行使してメジャー移籍を目指す中島裕之内野手(30)が、当地にあるダイヤモンドバックスの本拠地を訪れ、メジャー球団と初交渉を行った。施設見学や昼食を含めて約5時間以上滞在。早い時期から獲得意思を見せてきたダ軍の熱意を、十分に感じ取れる初折衝だった。

 午後0時15分。青いシャツにジーンズとラフなスタイルの中島が、初めてチェースフィールドに足を踏み入れた。最高気温26度。開閉式のドームを開放し、澄み切った青空から穏やかな日光の差し込む天然芝球場が、中島を出迎えた。その後、すぐにケビン・タワーズGMら関係者と、近隣のレストランでランチ。約1時間半にわたり、ミーティングを兼ねて野球談議に花を咲かせた。

 今月初旬に極秘渡米していた中島にとっても、待望の初交渉だった。今季終盤、左脇腹痛に苦しんだこともあり、米国西海岸でリハビリを兼ねた自主トレーニングを継続。交渉の進行状況を見ながら、視察のタイミングを見計らっていた。

 今回の訪問は、施設見学が主な目的だったとはいえ、野手層の底上げを目指すダ軍側にとって、3拍子そろった中島の獲得は最優先事項の1つ。2年総額300万~400万ドル(約2億4000万円~3億2000万円)の条件を用意している。中島自身が好印象を抱いたとすれば、早い時期に交渉がまとまる可能性もありそうだ。