広島前田健太投手(24)が29日、日本のエースとなる覚悟を語った。都内のホテルで行われた「第41回三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式に出席。チームメートの今村とともにWBCの代表候補入りが確実視されていることに、「先発でやっている限り、先発が出来るのが一番」と話した。

 代表選考が行われる前は、ダルビッシュや黒田らのメジャー組とともに「一緒に出来るだけでいい」と話していた。だが、メジャー組が参加しない見込みとなり、エースとしての責任を感じるようになった。12球団最高の防御率1・53をマークした右腕への期待は高まるばかりだ。

 WBCは初出場となるが「88年世代」の存在が心のよりどころになる。楽天田中や巨人坂本ら同年代の選手も登録メンバーに名を連ねている模様。世代交代の過渡期にある日本代表を、若い力で活性化する心構えだ。「リラックスできるし、やりやすさもある。中で競うよりも、チームが強く、優勝できるようになればいい。プロ野球では、まだ(年齢が)下の方ですが、若手で頑張って盛り上げていきたい」。

 09年の前回大会はテレビの前で応援していた。4年を経て、球界のエース格に成長。「オリンピックもなくなって、日の丸を背負えるのはWBCだけ。やっと名前を挙げてもらえるようになった」。浩二ジャパンを支える覚悟は、もう固まっている。【鎌田真一郎】