阪神中村勝広GM(63)が週1回ペースで和田豊監督(50)黒田正宏ヘッドコーチ(65)との3者会談を行うプランを2月28日、明かした。開幕まで残り1カ月となり、チームの基本方針を確認する意味で編成部門と現場のトップが意見をすり合わせる場を設ける考え。新たな試みで、猛虎復活へ一丸となる。

 春の訪れを思わせる甲子園での全体練習に、中村GMが姿を見せた。和田監督へ歩み寄ると、黒田ヘッドコーチとも話し込んだ。

 「監督、ヘッドにこれから1週間に1回でも10日に1回でもいいから、3人で話をしようと言わせてもらった」

 中村GMから現場のトップ2人への会談要請だった。オフの間も、補強に奔走する中村GMと和田監督は数回、会談していた。現在は投手をターゲットに新外国人補強も水面下で動きだしている。開幕が近づき、チームが日々、実戦に追われる今後はさらに密なる連携が必要だと判断したようだ。

 「チームのやり方を確認する意味でもね。場所はどこだっていい。遠征先でもいいんだ」

 中村GMはこう説明した。例えば昨年のドラフト後、ドラフト1位藤浪の育成方針をめぐって、フロントと現場が議論を交わしたように定期的に戦術、育成、補強に関しての“首脳会議”を開催する考えだ。

 昨年9月に就任した中村GMは猛虎改革の象徴的存在だ。補強と育成、それぞれの方針に1本の筋を通す。球団の基盤をつくる。そのために監督経験者をGMに据えて、チーム強化を託した。キャンプ期間中は1軍の沖縄・宜野座だけでなく、2軍安芸にも足を運んで状況を把握した。

 「だれを使うかは現場が決めること。ただ、2軍でも昨年の秋のキャンプからすごく成長している選手がいた。(故障した)上本なんかは、本当にもったいないけどな」

 現場の裁量に全面的に配慮するが、中村GMが議論に加わることで、よりベストな決定が下せると考えている模様。GM制がシーズン中にどう機能するかも今季のポイントの1つになりそうだ。【鈴木忠平】