<オープン戦:オリックス1-4ソフトバンク>◇12日◇京セラドーム大阪

 ソフトバンク山本省吾投手(34)が完璧な火消しを演じた。8回無死一塁、打者T-岡田の場面でコールされた。「そういう部分で期待してとってもらったので」。左打者封じの任務は百も承知。外角直球で見逃し三振をとり、続く代打縞田も低めスライダーで空振り三振。左2人を料理し、バルディリスは129キロ直球で詰まらせて左飛。球速はなくても打者の間合いを外して、3人で片付けた。

 WBC強化試合ブラジル戦を含め、対外試合7試合で8イニング連続無失点。すべて3点差以内で、公式戦なら7ホールドが記録される仕事ぶりだ。中でも、この間、左打者15人と対戦し被打率0・00は光る。「去年と一昨年は実績がないし、投げて信頼を勝ち取るしかない」。DeNAから移籍1年目。決意を結果で示し、レベルが高く、6~7人と狭き救援枠生き残りへとつなげた。「競った展開もロング(救援)もいけるのが持ち味ですから」。目立たなくても、経験豊富な左腕の存在はブルペンに安心感を生むはずだ。【押谷謙爾】